
こんにちは!薬剤師芸人の三部透です!
今回はインフルエンザで飲んではいけない「市販薬」について紹介したいと思います!
インフルエンザで避けるべき市販薬とは!?
皆さんは病院がやっていないとき、もしインフルエンザにかかったらどうしますか?
身体がだるい、熱もある、、、もしかしてインフルエンザかも。。。
でも病院今やってないよ、、、どうしよう、、、
よし!熱辛いからとりあえず市販薬飲んどこう!!!
こんなときありますよね!?
病院に行けないときに、仕方なく市販薬を飲むこともあるかと思うのですが、このときに避けるべき薬があります!
それは「NSAIDs」(エヌセイズ)と呼ばれるものです!
NSAIDsは今出ている痛み止めや風邪薬にほとんど含まれていて、以下の薬は全てNSAIDsを含んでいます。
・ロキソニン (ロキソプロフェン)
・イブ (イブプロフェン)
・ボルタレン (ジクロフェナク)
・バファリンA (アスピリン)
…などなど
一度は聞いたことある有名な薬だと思います!
そしてこの市販薬に多く使われている「NSAIDs」をなぜ避けた方がいいかというと、
インフルエンザの合併症で起きるインフルエンザ脳症を悪化させてしまうことがあるのです!
インフルエンザ脳症とは
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザで発熱したあとに脳が膨れ上がることによって、突然痙攣や異常な行動を起こす病気です。
大体15才までの子供がなるのですが成人でもなることがあり、致死率10%、後遺症は25%と非常に生命に危険な病で、日本では年間100万人がインフルエンザにかかり、100人ほどがインフルエンザ脳症になっております。
2000年には厚生労働省がこの病気をより重くしてしまう可能性があるとして、
インフルエンザ脳症患者には「NSAIDs」の1つであるジクロフェナクを使用しないようにとお達ししました!
そして実験データから、解熱鎮痛薬では「NSAIDs」よりもアセトアミノフェンの方が生存率が高いとわかりました。
(お達しはこちらから)
なので今勤めている薬局では、このデータを受けてインフルエンザの方にはNSAIDsを使用しないにしております!
処方箋でインフルエンザの方に解熱鎮痛薬としてNSAIDsが出ていた際には、
病院に問い合わせをしてカロナール(アセトアミノフェン)という子供が飲んでも安心な処方薬を提案をします!
おすすめの市販薬
そこでアセトアミノフェンを含んだお子さんも使えるオススメの市販薬を紹介したいと思います!
<小児向け>
小児用バファリンCⅡ (3才~15才未満)
飲みやすいフルーツ味の小粒の錠剤です。
CⅡの”Ⅱ”とは、前に「小児用バファリンC」という薬が売られていたのですが、その中に入っていた「アセチルサリチル酸」という成分が小児にライ症候群という意識障害を起こすことがありました!
そのため 安全なアセトアミノフェンに変更になった際に2番目の薬としてCⅡとなりました!
小児用バファリンチュアブル (3才~15歳未満)
こちらは”チュアブル”という種類の錠剤で、噛んで飲むことのできる薬です!
飲むのが苦手なお子さんでも平気な薬となっています。
バファリンルナJ (7才以上)
「ルナJ」の”J”は、ジュニアのJです。
また同じ似たような名前で「バファリンルナI(アイ)」があるのですが、
コレはNSAIDsのイブプロフェンが入っているので注意です!
ノーシンAc (7歳以上)
<15歳以上の方向け>
大人の方は2種類の市販薬がございます。
タイレノールA (15歳以上)
ラックル速溶錠 (15歳以上)
外国の方がやられている有名なCMでよくやってるやつですね!
「腰痛・神経痛に効く」と記載がありますが、もちろん中身はアセトアミノフェンなので頭痛や発熱にも効果があります。
以上がアセトアミノフェンのみが入っている市販薬一覧です!
これ以外は漢方薬かNSAIDsとなります。
インフルエンザに効く漢方薬(市販薬)とは!?
医療用ではインフルエンザに効くとされているものが、実は市販薬にも出ております!
その名前は麻黄湯(まおうとう)。
名前の通り実際に強い薬で、インフルエンザには有効な市販薬とされていています。
インフルエンザには医療用のタミフルと同じくらいの効果があるとされています!
実は市販されている麻黄湯の効能効果に「インフルエンザ」とは書いていないのですが、製薬会社のツムラさんに電話したところ、「インフルエンザは診断を必要とするので、市販薬の効能効果には書けないが成分などは医療と全く同じです」と返事を頂きました!
また麻黄という薬に含まれる成分が、妊婦さんの胎盤の血液の流れを悪くする可能性があるので、妊婦さんは服用しないようにしてくださいね!
また麻黄湯は汗を出しやすくする薬で、
汗が出ていなく、体の節々が痛い風邪にも効果があります!
今回は市販のかぜ薬について紹介しました!
薬は用法用量を守るようにお願い致します。
参考:今日のOTC薬 解説と便覧(改訂第4版)
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