消毒と微生物【細菌・ウィルス対策】


こんにちは!薬剤師芸人の三部透です!

今回は細菌・ウィルウス対策としての「消毒」についてです!

①消毒と除菌は全く違うもの?
②消毒薬のアルコールや塩素系などの違い
③なぜ特定のウィルスにはアルコール消毒が効かないのか、について書きました!

消毒と殺菌・滅菌の違い


皆さんは消毒の意味って知ってますか?

普段なにげなく言う”消毒”という言葉は
病気を引き起こさない程度まで微生物をやっつけること」という意味で実はすべての細菌やウィルスをやっつけるわけではないんです!

そしてややこしいことに、消毒に似た言葉として殺菌や滅菌、除菌そして抗菌などがあるのですが、これらの言葉はそれぞれ目的が違うんです!

消毒・殺菌・滅菌・除菌・抗菌は目的別に
①菌をやっつけるものと、②菌を減らすものの2種類に分けられます。


殺菌は文字通り「病気を引き起こす特定の微生物をやっつけること」で、滅菌は「すべての微生物をやっつけること」で主に手術器具や注射などに行います。

一方で除菌は「微生物をやっつけるわけではなく減らすこと」で、例えば洗剤の泡などで物理的に洗い流して微生物の数を減らします。そして抗菌も「菌の増殖を抑えること」で同じく減らすことが目的です。

つまり消毒・殺菌できると書かれた商品と、除菌や抗菌用の商品では目的が違うんです!

「漂白剤やアルコールシートには”殺菌”って書けない!?」


実は漂白剤や洗剤には、消毒や殺菌が出来ると書いてはいけないんです!

それは消毒や殺菌という言葉が「医薬品医療機器等法*」という法律によって、厚生労働省が認めた医薬品・医薬部外品以外に記載することは出来ないことになってるからなんです。
(*医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)

ですので、普通の「雑貨」である洗剤や漂白剤、アルコールシートなどは”消毒”や”殺菌”出来ると宣伝してはいけないので、商品には”除菌”や”抗菌”と書かれています。

消毒や殺菌は認められたものにしか書けないんですね!

消毒薬の強さ


みなさんは牡蠣に含まれるノロウィルスにはアルコールが効かないって聞いたことがあると思います!これは細菌やウィルスには消毒薬に対して強い抵抗性を示すものがあるからなんです。

基本的に細菌よりウィルスの方が強く、↓の順番で消毒薬が効きにくくなります。


細菌の中でも「結核菌」や「芽胞菌」は強い細菌で、
特に「芽胞菌」は細菌の中でも最強の抵抗性を持っています!

そして消毒薬にも強さがあり、
①表にあるアルデヒド類の消毒薬は全ての微生物をやっつけることの出来る最強の消毒薬です!

しかし毒性が強すぎるため人間には使用できず、内視鏡や屋内を消毒する時に使います。

②そして塩素・ヨウ素類(ハイターやブリーチなどの漂白剤やイソジン)は、
アルコールに比べて消毒できる範囲は大きいですがニオイも強く、強い酸化力を持っているため金属を錆させてしまう欠点があります!ですのでハイターなどを薄めてドアノブなどを拭く際は、10分経ってからもう一度水拭きをしましょう。

ちなみに同じくヨウ素が入っているイソジンはなんと金属のなかでもあの金(ゴールド)を溶かすことが出来ます!

③アルコールは塩素・ヨウ素類と比べて強いニオイもせず非常に使いやすく私たちの生活にも普及していますが、消毒薬としては一般的な細菌やウィルスは殺菌できますが上記2種と比べてノロウィルスや芽胞菌という強固な殻に覆われている細菌には効果を示しません

つまり用途に合わせて消毒薬を変えるのがベストなのですが、冬になりますとアルコールの効かないノロウィルスが多くなるので漂白剤は常に持っていると良いと思います!

特に漂白剤を消毒用に使用するときは少量で済むので便利です
(市販の漂白剤は約5%の次亜塩素酸ナトリウムが含まれているので、便座やドアノブを拭く際は、500mLの消毒液を作るのにペットボトルのキャップ半分の量2.0mLで足ります!)

あまりに強すぎる納豆菌

消毒薬に強い芽胞菌の中には、”納豆”や美容のしわ取りで使われる”ボツリヌス注射”に含まれる細菌などがあります!
これらは消毒薬に対してとてつもなく強い抵抗性を持っていて、100℃で煮ても死なず、放射線にも強いといった最強の菌で
す!

そして納豆菌は菌として強すぎるあまり日本酒などの発酵食品を製造しているメーカーでは、麹に悪影響を及ぼすとして納豆を食べることが禁じられていたりします!

なぜノロウィルスにアルコールが効かないのか?


なぜノロウィルスにはアルコールではなく漂白剤を使うのかというと、これはウィルスの構造に秘密があります。
ウィルスは構造の違いで主に2種類に分けられ、ウィルスの周りにエンベロープという膜を持っているエンベロープウィルスと、膜をもっていないノンエンベロープウィルスがあります。

このエンベロープは脂(あぶら)とたんぱく質で出来ていて、
アルコールはこの膜を破ることでウィルスをやっつけます!

一方で膜のないノンエンベロープウィルウスは膜がそもそもないので、
アルコールの影響を受けずに生き延びることが出来ます。


簡単に言うと甲冑や鎧を身にまとったザコより、裸で筋肉の人の方が強いイメージです!


ノロウィルスにいつかかっても良いように漂白剤は切らさずに持つことが大事です!
(漂白剤の成分は時間が経つにつれて濃度が下がってしまうため、1~2年で買い替えましょう!)

以上「消毒」についてでした!
いつ病気が流行ってもいいように対策しときたいですね!

読んで下さりありがとうございました!

<参考>
「医薬品・医療機等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」http://www12.plala.or.jp/taacohya/Houki/KOSEIRODOU/Yakujiho/KaiseiSagyoData/3frame_Sin_Yakujiho_all.htm

厚生労働省ー感染性胃腸炎(特にノロウイルス)についてー
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/norovirus/

付録ー③消毒薬の抗微生物スペクトル18と適用対象ー
https://www.mhlw.go.jp/content/000500653.pdf

日本石鹸洗剤工業会ーどこがどう違うのか…「滅菌」「殺菌」「除菌」「抗菌」などの用語ー
https://jsda.org/w/03_shiki/a_sekken30.html

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