【新型コロナ】世界を救う6つの候補薬


ご飯を炊くとき、毎回何号入れたから分からなくなる薬剤師芸人です!

今回は「世界を救う6つの候補薬」ということで、
新型コロナウィルスに対して今最もホットな6つの薬について書きたいと思います!

アビガン(成分の名前:ファビピラビル)


今ニュースでたくさん報じられている新型コロナの治療薬ですね!

アビガンは日本が作った薬で、「富士フィルム富山化学」と富山大学医学部教授の白木公康(きみやす)さんが共同開発して出来ました。


もともとインフルエンザ薬として開発されたのですが、動物実験で胎児に形態異常を起こす恐れがあると判断されたため、既存のインフルエンザ薬(タミフルなど)が効かないときや新型のインフルエンザが流行した特別な時にだけ使用できるという、まるで秘密兵器のような薬でした。

そしていざ流行ったときのために日本は200万人分備蓄していました。

なぜ新型コロナに効くのか?



なぜインフルエンザの薬が新型コロナに効くのかというと、

アビガンは体の中に入ることによって化学構造が変化する特殊な薬なんですが、
その構造がウィルスの増殖に必要な”遺伝子の材料”と非常に似ているからなんです!



遺伝子を増やそうとしたウィルスは間違えてアビガンを取りこんでしまい、
その結果異物が入った遺伝子はそれ以上増えることが出来なくなってしまうんです。




つまりアビガンはスパイのように味方のふりをしてウィルスに侵入し、内側から壊していくような薬なんです!

研究まとめ


・3月17日に中国が発表した情報によると、
80人の患者を対象にアビガンとインターフェロン(免疫に働く薬)を投与したグループと、別の治療グループに分けたところ、ウィルスが陰性になるまでにかかった期間がそれぞれ4日と11日、また胸のX線画像改善率は91.43%と62.22%で、アビガンを投与したグループではウィルスを陰性にするまでにかかる期間が短く、肺の炎症を抑えることが分かりました。



・また別の研究では熱がおさまる期間がそれぞれ2.5日と4.2日で、咳がおさまる期間も4.57日と5.98日でアビガン投与したグループでは熱を早く下げ、咳も抑えることが分かりました。

・同じく中国で行われた臨床試験では、アビガンと別の新型コロナ治療薬であるカレトラ配合錠と比べたときに改善率がアビガンでは91.43%、カレトラ配合錠では62.22%とカレトラよりも新型コロナに有効である結果が出ました。



・そしてアビガンを開発した富士フィルム富山化学は新型コロナの治療薬として承認を受けるために臨床試験をスタートしました。早ければ6月末には終了する予定だそうです。



追記(2020.04.28)
・28日安倍首相は衆院予算員会で、アビガンは海外で承認されていないため日本の法令上「特例承認」は難しいと発言。一方でレムデシビルは海外で承認されているため「特例承認」を適用の可能性があるとのこと。



追記(2020.05.10)
・5月8日、東京大学医学部付属病院は新型コロナ陽性患者を対象に、アビガン(ファビピラビル)とフサン(ナファモスタット)を併用した臨床試験を始めることを発表した。異なる作用を持った二つの薬を合わせることで、より効果的な治療が出来る可能性があるとのと。

レムデシビル


レムデシビル-Wikipediaより


この薬は「ギリアド・サイエンシズ社」というアメリカの製薬企業が開発中の新薬で、現在どこの国でも承認はされていません。

この会社はもともとB型・C型肝炎やエイズ治療薬に力を入れていて、2015年に1錠が8万円と、とんでもなく高かった「ハーボニー配合錠」を作った会社でもあります。
1日1錠12週間飲むので当時の値段で670万円かかりました。


当時は偽造品も出回ったりと扱いが大変な薬でありましたが、ハーボニーなどの新規の薬の登場によって、それまで治療が困難であったC型肝炎が95%以上治るなどお値段以上の画期的な薬でした。

なぜ新型コロナに効くのか?


この薬がなぜ新型コロナに効くとされているのかについて、現在ギリアド・サイエンシズは詳細を明らかにしてはいません。ですが2018年のレムデシビルに関する論文では、アビガンと同じようにレムデシビルの化学構造がウィルスの遺伝子の材料と非常に似ているため、ウィルスが間違って取り込み増殖出来なくなることで効果を示すとのことです。


研究まとめ


・2月24日(月)に世界保健機関、通称WHOがレムデシビルに関して「現時点で本当に治療効果があるとみられる唯一の薬」と発表しました。


2月4日に発表された中国の研究ではレムデシビル、アビガン、クロロキンなどを含む7つの薬を試験管内で新型コロナウィルスに効くかどうか調べたところ、アビガンよりもレムデシビルとクロロキンが効くと判明しました。

*この研究では結果が芳しくなかったアビガンではありましたが、もともとアビガンは体の中に入ることで効果を示す薬であるため、試験管内での実験では正当な評価をすることは出来ないという意見もあるようです。


追記(2020.04.11)
・日米欧などの国際研究チームが米医学誌に10日、重症患者に投与した53人の7割近くに症状の改善が認められたとのこと。

追記(2020.04.18)
・シカゴ大学医学部の病院が、重症者113人を含む新型コロナ患者125人にレムデシビルを毎日投与したところ、発熱や呼吸器症状が著しく改善し、1週間以内に死亡した2人を除く全ての患者が退院できたとのこと。


追記(2020.04.28)
・28日安倍首相は衆院予算員会で、アビガンは海外で承認されていないため日本の法令上「特例承認」は難しいと発言。一方でレムデシビルは海外で承認されているため「特例承認」を適用の可能性があるとのこと。


追記(2020.05.02)
・5月1日、アメリカの食品や医薬品を取り締まる、食品医薬品局FDAは新型コロナウィルスの治療薬として、アメリカの製薬会社ギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」を緊急使用を承認しました。ペンス副大統領によると、150万個の薬瓶は4日から病院に配布されるとのこと。

また、日本の厚生労働省は、承認された後の一定期間は公的な医療保険を使わず、レムデシビルを無償で重症患者に分配する方針を固めました。


カレトラ配合錠(成分の名前:リトナビルとロピナビル)



カレトラ配合錠はHIV治療薬で、リトナビルとロピナビルの2つの成分が合わさった薬です。2つの薬は同じメカニズムで働くわけではなくて、リトナビルが”薬の効果を弱める酵素”を抑えることで相棒のロピナビルの効果を強くするいう2人3脚な薬です。

なぜ新型コロナに効くのか?


HIV治療薬が新型コロナにどのように効くのか詳しいことはわかっていませんが、HIVウィルスに効くメカニズムが同じように新型コロナにも作用しているんじゃないかと言われています。

そもそもウィルスは増殖する為に、ウィルスの”中身である遺伝子“と”たんぱく質”を作り、酵素がたんぱく質を分解してウィルスの外側の殻を作ります。

カレトラはこの酵素のじゃまをすることでHIVウィルスのたんぱく質の殻を作らせないようにします。そして同じように新型コロナウィルスの殻を作らせないのではいかと予想されています。



研究まとめ


・2月2日にタイ保険省が、タミフルとの併用で新型コロナに効果があったと発表しました。しかしその後色々なところからカレトラの有効性は認められない報告が出ていて、
3月18日に発表した中国の論文では、199人の患者を対象にカレトラと標準治療(酸素の補充やECMOエクモなど)を比べたところ、標準治療を超える結果は得られなかったと発表しました。


フサン(成分の名前:ナファモスタット)


ナファモスタットは日本が作った薬で、膵臓の炎症(膵炎)を治療するのに使われています。

なぜ新型コロナに効くのか?


ナファモスタットがどのように新型コロナに効くのかは、膵炎に効くメカニズムと同じだと言われています。そもそも膵炎とは、アルコールをたくさん飲むことなどによって膵液(たんぱく質を分解する消化酵素)をたくさん出すようになり、皮肉なことに酵素が膵臓自身を溶かして炎症を起こした状態を言います。

ナファモスタットはこのたんぱく質分解酵素を抑えることで膵炎を治します。

そして同じようにたんぱく質分解酵素を抑えることで新型コロナウィルスの侵入を防ぐことが出来ました!実はヒトの細胞にあるたんぱく質分解酵素が新型コロナウィルスを活性化していて、細胞内に侵入するのを手助けしていることが分かったんです!

つまりナファモスタットは細胞にあるたんぱく質分解酵素を抑えることで、新型コロナの感染を防ごうという薬なんです。ですので研究が進んだら新型コロナウィルスの予防薬としても使えるかもしれません



研究まとめ



・東京大学医科学研究所は3月18日に、ナファモスタットには新型コロナウィルスの侵入を防ぎ感染しづらくする可能性があると発表しました。すでに使われている薬で安全性や認められているので、もしかしたら将来予防薬として使えるかもしれないとのことです。


追記(2020.05.10)
・5月8日、東京大学医学部付属病院は新型コロナ陽性患者を対象に、アビガン(ファビピラビル)とフサン(ナファモスタット)を併用した臨床試験を始めることを発表した。異なる作用を持った二つの薬を合わせることで、より効果的な治療が出来る可能性があるとのと。

クロロキンor(ヒドロキシクロロキン)


プラケニル200mg-サノフィより引用


クロロキンはアメリカでもともとマラリアの薬として使われていて、日本ではより安全性の高いヒドロキシクロロキンという薬が、エリテマトーデスという病気を治療する為に使われます。エリテマトーデスとは、本来細菌やウィルスなどの外部の敵から守ってくれるはずの免疫が、間違えて自分自身を攻撃してしまうという病気で、発症するのは20~40の若い女性に多いと言われています。


クロロキンは過去に日本で、目が見えにくくなるという薬害事件を起こしたことで有名になった薬でもありました。あくまで発症頻度は約1%と言われていて、服用する際には定期的な眼科検診が必要となってきます。

なぜ新型コロナに効くのか?



なぜ新型コロナウィルスに効くのかについては明らかになっていませんが、

新型コロナウィルスの仲間でもあるSARS(サーズ)の治療の際に、クロロキンが使われていました。SARS(サーズ)は細胞内に侵入する経路が2種類あって、細胞の表面にあるたんぱく質分解酵素を介して侵入するパターンと、エンドソームという細胞の外にある物質を中に取り込む器官を利用して入るパターンです。

そしてクロロキンは侵入したSARSウィルスをエンドソーム内に閉じ込めて増殖できないようにする薬のようです。




あくまで憶測ですが、似た仲間である新型コロナウィルスもSARSと同じ方法で侵入するとしたら、ヒドロキシクロロキンがエンドソーム内に新型コロナウィルスを閉じ込めることで、増殖を防ぐ薬なんだと思います。


研究まとめ



・日本では2月14日から発熱と咳が出ていて69歳のタクシー運転手は、検査の結果新型コロナウィルス陽性となり、ヒドロクロロキンを投与したところ熱や咳もおさまり、退院出来るようになったという報告がありました。


・また2月4日に発表された中国の研究で、試験管内での実験でレムデシビルとリン酸クロロキンに抗ウイルス効果があると認められ、レムデシビルに次いで高い効果があると分かりました。

・3月20日のフランスの発表では、30名の患者を対象にした研究で、抗生物質とヒドロキシクロロキンを組み合わせた治療がヒドロキシクロロキンのみの治療よりも効果があったと発表しました。


・アメリカのトランプ大統領も「新型コロナウィルスにクロロキンが有効だ」と推奨したのですが、自己判断で服用した60代の男性が30分後に体調が急変し、その後死亡したというニュースもありました。現在新型コロナウィルスに効くとして承認されているわけではないので、自己流の治療をしないように注意しましょう!


追記(2020.05.03)
・4月28日に販売元であるサノフィ株式会社は、新型コロナウィルスに治療薬として使われている「プラケニル(成分名:ヒドロキシクロロキン)」を抗菌薬アジスロマイシンを併用した際に、心臓の重い不整脈が起きる症例があったとして、投与量に注意して心電図でモニターするように発表した。

オルベスコ(成分の名前:シクレソニド)


オルベスコ-帝人ファーマより引用


オルベスコはステロイド薬で、炎症を抑える効果があります。喘息やアレルギー性鼻炎に使われる吸入するタイプの薬です。

なぜ新型コロナに効くのか?


オルベスコには、他のステロイドには見られない”抗ウィルス作用”があると言われていて、詳細は明らかになっていませんが新型コロナウィルスの増殖を抑える働きがあると言われています。


追記(2020.04.07)
実験では、風邪の代表的なRSウィルスやインフルエンザウィルスには効かなかったとのことです。https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.03.11.987016v1.full

研究まとめ



・3月2日に日本感染症学会の発表で、クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」に載っていた3人の陽性患者にオルベスコを投与したところ、症状が落ち着き良好な結果が得られたとのことです。

・そして試験管内での研究では、新型コロナ治療薬のひとつであるカレトラ配合錠のロピナビルと比べたところ、オルベスコはウィルスの増殖を同等以上に抑えることがわかりました。

また未熟児・新生児から高齢者まで広く用いられる安全な薬剤というのも良い点です。




以上「【新型コロナ】世界を救う6つの候補薬」でした!
長文でしたが読んで下さりありがとうございました!!!


参考:

ニュース|BIGLOBEニュース
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsv/61/1/61_1_109/_pdf/-char/ja

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200310_2.pdf

https://www.nature.com/articles/s41422-020-0282-0.pdf

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International Journal of Antimicrobial Agents誌で発表された新たな研究結果によると、抗マラリア剤(商品名:プラケニル)として知られているヒドロキシクロロキン、および抗生物質のアジスロマイシン(商品名:ジスロマックまたはアジスロシン)が、新型コロナウィルス、COVID-19..

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200302_02.pdf

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【ワシントン共同】エボラ出血熱の治療薬候補だった抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナウイルスの重症感染者に投与した初期研究結果を日米欧などの国際研究チームが米医学誌に10日、発表した。投与したのは53人と小規模だが7割近くに症状の改善がみられ、チームは「決定的な結論は出せないが、見込みはある」との見解を示した。 今...

https://www.nature.com/articles/s41422-020-0282-0.pdf

https://www.h.utokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2020/05/08/release_20200508.pdf

コメント

  1. 月足 博 より:

    現状の日本を見ると一刻も早く特効薬が完成する必要があると思います!この景気の停滞の連鎖がいつまで続くか不安で堪りません。

    • mibetoru より:

      コメントありがとうございます!

      そうですね。
      特効薬が出来れば、今の不安な状況を改善できそうですね!
      私も早く平穏な生活に戻ることを期待しています。

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