妊婦さんはロキソニン飲んじゃダメ!?【薬剤師が理由も解説】

こんにちは!

今回は意外と注意が必要な「妊婦さんと解熱鎮痛薬」について解説したいと思います!

読む前に知ってほしいこと!



・妊娠中に薬を飲んでいなくてもリスク自体はある

・一人の女性が妊娠するなかで、自然に流産する確率は15%、胎児奇形が自然発生する確率は約3%

・胎児奇形は原因不明が最も多く、薬剤によるものは1%程度と少ない


このように「妊娠して出産すること」は当たり前ではありません。そして抗がん剤や抗てんかん薬など一部を除き、ほとんどの市販薬や短期間服用する薬には心配するような危険性はないとされています


ただ妊娠している時期によっては、薬の影響を受けやすいことがありますので、万全を期すために病院や薬局にかかる際には妊娠している可能性があったら伝えて頂くようお願い致します!


妊婦さんと解熱鎮痛薬



普段芸能人などがCMに出演して目にすることが多い解熱鎮痛薬。

ドラッグストアでも簡単に買えるようになり、急な熱や痛みを和らげるものとして私たちの生活を支えています。ただ、より身近な存在となった一方で必ずしも安全というわけではなく、特に妊婦さんは注意が必要です。

例えば、市販の解熱鎮痛薬として一番有名なロキソニンですが、実は妊婦さんには推奨されていません。ロキソニンの製薬会社が作った薬の説明書「添付文書」を見ると、妊娠末期の婦人には投与しないこと、としています。




妊娠末期とは妊娠後期と同じ意味で、妊娠8ヶ月~出産までのことを指しています。
つまり「妊娠8ヶ月になったらロキソニンは飲んではいけません!」ということなんです!ちなみに妊娠8ヶ月になると、すでに赤ちゃんの体の機能はほぼ完成していて、おなかのなかで動いているのを感じることが出来ます。

*ほかにも、妊娠しているすべての期間で飲んではいけない解熱鎮痛薬もあります。(ボルタレン・インドメタシン・セレコックスなど)


ただ日本の添付文書では、妊娠と薬の関係について情報があいまいなため、正直臨床の現場では、アメリカやオーストラリアなどの国がどのように対応しているかを参考にすることが多いです。ロキソニンについて、各国ではどのように評価されているのか調べてみると、意外なことにアメリカではそもそもロキソニンが承認されていないため、日本のように市販薬は売っていないとのことでした。なのでアメリカはロキソニンについては評価をしていません。


ただオーストラリアの評価には記載があり、ロキソニンは上から3番目の“C”で「催奇形性はないけど赤ちゃんに好ましくない作用を起こす可能性がある薬」と判断しています。
つまりオーストラリアでも、赤ちゃんにとってロキソニンは良くない可能性があると言っているんです。

オススメの解熱鎮痛薬


じゃあ熱や頭が痛い時に何を飲めばいいの?
ということで代表的な解熱鎮痛薬についてまとめてみました。


アセトアミノフェンは、オーストラリアの評価でも上から一番目の“A”と評価されるなど、解熱鎮痛薬の中でも最も安全な薬と言われています
普段この薬は子供やインフルエンザにかかったときにも処方されていて、フランスのが新型コロナウィルスにかかったときはアセトアミノフェンが良い、と発言するほど信頼されている薬です。


ただ一方で、市販薬の箱に記載されている量や、お医者さんの指示された量より多く飲んでしまうと肝臓を傷つけてしまいます。特にお酒が体に回っている状態で飲むアセトアミノフェンは危険で、日本では亡くなったケースもあります。



アセトアミノフェンが入った市販薬は以下の記事で紹介しております!


なぜ妊娠しているとロキソニンがダメなのか



では、どうしてロキソニンやイブプロフェンはだめなのでしょうか。

それは赤ちゃんが生まれたときの内臓の変化に関係があります。
出産という出来事はもちろん母親の体にも影響がありますが、実は赤ちゃんの方にもお腹にいるときと出た後で呼吸の仕方が変わります。



赤ちゃんがおなかにいるときは母親の胎盤から酸素をもらっているので、今私たちがしているような肺を使った呼吸はしていません

赤ちゃんは肺で酸素を受け取る必要がないため、おなかにいる時限定で右心臓から胎盤へと動脈管という血管がつながっています。そして出産で外の世界に出てきた瞬間から肺呼吸を始め、不要になった動脈管は生後3日で完全に閉じます。
これは本当にすごいことで、いわば水上生物が陸で生活するために体の構造が変化させるのを、赤ちゃんは出産という短期間でやってのけているんです



この動脈管は、「プロスタグランジン」という体の中にある物質によって血管が広げられているのですが、ロキソニンを飲むことによってこのプロスタグランジンを邪魔してしまいます。その結果赤ちゃんが生まれてない状態にもかかわらず、動脈管という血液の通り道が狭くなり、栄養や酸素が送りにくくなってしまうんです。



こういったことを防ぐために、妊娠中はロキソニンやイブプロフェンではなく、アセトアミノフェンを服用するのが安全と言われています。




以上、「妊婦さんはロキソニンを飲んじゃダメ!?薬剤師が理由も解説」でした!
読んで下さりありがとうございました!



参考文献:

「おクスリ.jp|特集 妊娠と薬に関する知識|薬剤による催奇形性の発生率について 特集 妊娠と薬に関する知識」
http://okusuri.jp/knowledge/01/002.html

薬剤師が知っておくべき 症状あれこれ」
https://cps-net.jp/column/alacarte/133ala.html

「妊娠と薬(1)~妊娠中の薬剤投与についての基礎知識~」
https://www.gakuen-hospital.or.jp/section/pharmacy/pdf/no81.pdf

「専門医のためのアレルギー学講座-2.妊娠と薬」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/63/1/63_KJ00009262701/_pdf

「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 第21回報告書-妊婦に禁忌の薬剤に関する疑義照会の事例」
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/report_2019_1_T001.pdf

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