【男性必見】ピルは避妊だけじゃない!


こんにちは!
緊張した時に、深呼吸のしすぎで過呼吸気味になってしまう薬剤師芸人です!

今回は、偏見や悪いイメージを持たれがちな「ピル」について、実際どういった薬なのかご紹介したいと思います。

ピルの偏見と実態

エッ〇な本やビデオに出てくる「ピル」

男性からすると、初めてピルを知るのはこういったものだと思います。
(少なくとも私はそうでした)。

そういった媒体ではピルは避妊目的で使用されており、男性からすると「ピルってエッ〇な薬なんだ!」と考えてしまう方が多いと思います。その結果「ピル=エッチな人」という偏見が生まれ、現在のように女性がピルを服用していることを言いづらい環境が出来てしまいます。


しかし実際は「ピル=避妊」ではありません。
ピルを服用している理由として最も多いのは「婦人科疾患の治療」なんです!




ピルを服用している方に聞いたアンケートによると、半分以上を占める約62%が「生理痛や生理不順などの婦人科疾患」のために服用しており、「避妊」は全体の1/5にあたる約23%でした。

また他にも「ニキビや肌荒れ」のために服用している人もいるなど、ピルは避妊以外にも様々な使い道があるんです。


ピルってなに?



ピルとは「女性ホルモン」が含まれた薬のことで、生理痛やPMS(生理前のココロとカラダの不調)、ニキビや肌荒れを改善し、高確率で妊娠を回避することが出来ます。


女性ホルモンには「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類があり、これらのホルモンが周期的に分泌されることで、女性の妊娠や出産などの機能を整えています。




他にも、思春期の身長を伸ばしたり免疫を強くする働きがあるとされていて、子供の頃は女性の方が身長が高いことや、病気によって性差(男女の発症率の差)があるのは女性ホルモンの影響だとも言われています。

悲しいことに、免疫が強すぎるあまり誤って自分自身を攻撃してしまうんです!

   
性差のある病気の比率
男性 女性
関節リウマチ 1 2
全身性エリテマトーデス 1 9
パセドウ病 1 4
橋本病 1 20
シェーグレン症候群 1 13.7


【ピルの避妊率はどのくらい?】



ピルはコンドームよりも避妊出来る確率が高く、理想的な使用であれば99.7%妊娠することはありません。コンドームが破れたり抜けたりして失敗するということを考えれば、薬でこれだけ避妊出来るのはすごいことですね!



       
避妊法の妊娠率(%)
理想的な使用 一般的な使用
ピル 0.3 9
コンドーム 2 18
避妊しなかった場合 85 85



メカニズム



では一体どうして、ピルは生理痛を軽くしたり妊娠を回避出来たりするのでしょうか。


それは、ピルが脳を「妊娠した」と勘違いさせることによります。




人間には子宮がひとつしかないため、妊娠中に別の妊娠をすることがありません。
そのため、妊娠したと勘違いした脳は、再び妊娠することがないように身体に働きかけます。



*排卵とは、卵胞細胞から卵子が放出されることで、一般的に生理周期の中間くらいで起きます。
**子宮頚管粘液とは、子宮と膣との間にある粘液でいわゆる”おりもの”です。
子宮頚管粘液をドロドロにすることで、精子が膣から子宮に移動できなくなります。
***子宮内膜とは、受精卵が育つ「ベッド」のようなもので、”生理の際の出血・痛み”となります。



女性ホルモンは生理のたびにこのようなベッドを作っているのですが、妊娠しなかった場合は次の妊娠に備えるために「ベッドメイキング」つまり作った子宮内膜を体外に排出しきれいにします。そして、この体外に排出された子宮内膜が「生理の出血」の正体です。


また子宮内膜を体外に排出しようと、子宮の筋肉がぎゅぅっと縮む際に痛みを伴うのが「生理痛」で、プロスタグランジンという成分が原因だと言われています。



プロスタグランジンは風邪を引いた際の発熱や頭痛、そして生理痛特有の腰痛の原因でもあります。ピルはこの子宮内膜の量を減らすことで、プロスタグランジンの量も減り、結果として生理痛」が軽くなるんです。


ピルの種類




ピルは1950年代に開発されてから改良を重ね、現在では卵胞ホルモン量の少ない「低用量ピル」・「超低用量ピル」が主流です。

*当初は卵胞ホルモンの多い「”高用量”ピル」だったのですが、そのホルモンに血栓症(血液の固まりが血管に栓をする病気)を引き起こすことがわかり、よりホルモン量を減らした”低用量”ピルが開発されました。



そして「低用量ピル」の中でも、含まれる黄体ホルモンによって第1~第4世代まで分かれていてそれぞれに特徴があります。特に第3世代はニキビに、第4世代はむくみに効果があるとされています。

また、第2世代の「ジェミーナ」と第4世代の「ヤーズフレックス」は長期的に生理をコントロールすることが可能です。他のピルは28日周期で服用するのですが、「ジェミーナ」は84日、「ヤーズフレックス」は124日まで生理を抑えることが可能です。(人によっては途中で出血が起きる場合もあります)。



このようにピルにはたくさんの種類がございますので、もし生理関連や避妊、ニキビなどの肌荒れについて悩んでいるのであれば、ぜひ婦人科さんを受診してみましょう


ご自身にあったピルを見つけることが出来るかと思います。


「避妊」目的だと保険が効かない?



ピルには様々な効能があることはお伝えしましたが、「避妊」で処方される場合は保険が適用されません。


これは避妊の場合は「命に関わる治療」としてみなされていないためで、他にもEDや男性型脱毛症(AGA)も同じく「命にかかわるものではない」として保険が使えません。

そのため、「婦人科疾患の治療」と「避妊」の場合で値段も変わってくるので注意が必要です。


ピルの注意点


女性にとってメリットの多いピルですが、注意しなければいけないことがあります。

それは「血栓症」という副作用です。


確率としては1万人あたり3~9人と、妊娠中や出産後12週間と比べると低いのですが、血栓症が原因で亡くなっている人もいるので注意が必要です。


日本産科婦人科学会より参照


これは血液が固まり血管に詰まってしまう病気で、血液の流れが悪くなることでさまざまな症状を引き起こします。例えば、足に血栓が詰まるとむくみやしびれが起き、肺に詰まると胸の痛みや息苦しさを感じます。簡単にいうと心筋梗塞の足・肺バージョンです。


予防法として、血液が固まらないように水分をこまめにとることや、足を適度にマッサージすることが大切です。

また、タバコも血栓症の原因にもなりますので出来る限りやめた方が良いと思います。そのため35歳以上では、タバコを1日15本以上吸う方は処方できないことになっています。


よくある質問

コンドームはつけるべき?


ピルを服用していると高確率で避妊は出来ますが、感染症をさけることは出来ません。


そのため、もし相手がピルを飲んでいたからといっても、コンドームをつけなくていい理由にはなりません。お互い性感染症を防ぐためにもコンドームはつけた方がいいと思います。

安全日・危険日とは?



医学的に「安全日」・「危険日」というものはございません。
そのため「絶対に妊娠しない日」はないと思ったほうが良いと思います。

ただ、比較的妊娠しやすい日があり、ある研究によると、排卵日から2日前が最も妊娠しやすくなるとのことです。


「19~26歳の妊娠確率」
Changes with age in the level and duration of fertility in the menstrual cycle のFigure.1より


「避妊」として承認されてない薬に避妊効果はある?



例えばヤーズ配合錠は海外では「避妊」として承認されていますが、日本では「避妊」で承認されていません。つまり、国によって記載されている効能効果が異なるのです。

これについてヤーズ配合錠の製薬会社であるバイエルン社に問い合わせたところ、「日本では避妊として承認を取っていないので、「避妊効果」があるわけではありません。ただ、服用の結果として避妊できます。」とのこと。

つまり、ヤーズは結果として避妊は出来るけど、日本で承認されているわけではないので他に避妊として承認されている薬のように「避妊効果がある」とは言えないようです。


保険が効く効かないの話もありますので、もし「避妊目的」ならちゃんと承認された薬を飲む方がいいと思います!



以上「【男性必見】ピルは避妊だけじゃない!」でした。
読んで下さりありがとうございました!

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