【薬剤師芸人が解説】アンサングシンデレラ第3話

こんにちは!

遅刻などのミスをしても「薬と違って死ぬわけじゃないし、まぁいっか!」といって前向きになれる薬剤師芸人です!

今回は、アンサングシンデレラ第3話について解説したいと思います!



トローチの穴の理由



ドラマの終盤で、小野塚が葵みどりに「トローチの穴の理由」について聞く場面がありました。葵は知らなかったようで、結局答えられないままドラマは終わってしまいました。



トローチの穴の理由は、誤って飲み込んでしまった時に窒息しないようにするためです。昔はトローチで窒息してしまう事故が多かったんです。

実は、薬ってちゃんと考えれらて作られているんです!

薬を飲みたがらない小学校の先生


校庭で転倒し救急搬送された小学校の先生の新田さん。
彼は慢性腎臓病で透析を受けているため、たくさんの薬を服用しています。

しかし、普段飲んでいる薬を調べてみると日付の古い薬があり、どうやら服薬状況が悪い様子。また、一包化された袋の中には、本来割ってはいけない錠剤や用法が違う薬がまとめて入っていました。

葵はそのずさんな管理に不信感を抱き、薬を出した調剤薬局に向かうとそこにはある人物が…



新田さんは慢性的な腎臓病のため、病院で「透析」を受けていました。
透析とは、機械が腎臓に代わって血液をきれいにすることをいいます。




腎臓にはたくさんの働きがあり、その中でも最も重要なのが「血液をきれいににする」ことです。もし、病気などで腎機能が低下すると、老廃物が体の中に溜まりやすく体がだるくなったり意識を失うことがあります。

そのため、腎臓の働きが悪くなったときは、血液を「ダイアライザー(透析装置)」という機械に通すことで、過剰な水老廃物を取り除く必要があるんです。


腎臓の働き



腎臓は非常に大切な臓器で、血液をきれいにする以外にたくさんの働きがあります。
昔は、大切という意味である”肝心(かんじん)”という言葉が「肝腎」とも言われていて、腎臓がそれだけ重要であることを意味していました。


意外なところでは、赤血球の合成血圧の調節そして骨を丈夫にする働きなどがあります。そのため、もし腎機能が悪くなった場合は、貧血や高血圧になったり、また骨も折れやすくなります!


新田さんが校庭で転倒し病院に運ばれたのも、「血圧の上昇」によるめまいで倒れてしまったからなんです。



【新田さんに処方された2週間分の薬】



腎臓はこれだけたくさんの働きをするため、もし腎機能が低下した場合は透析以外にたくさんの種類の薬を飲む必要があります。今回、退院した新田さんに出ていた薬がこちらでした。


葵が調剤薬局に不信感を抱くきっかけとなった2種類の薬



今回、葵が調剤薬局に不信感を抱くきっかけとなった薬が「アダラートCR」と「レナジェル」でした。これらの薬は製剤的特徴があるため飲み方が決まっているのですが、新田さんは本来と異なる誤った方法で飲んでいたんです。

アダラートCR錠



アダラートCRは血圧を下げる薬なのですが、薬の成分が急に溶け出さずに長時間血圧を安定にすることができる「有核二層錠」という特殊な構造になっています。(CRはControlled Release=放出制御から来ています)。


アダラートCR錠はこういった特殊な構造となっているため、半分に割ったり粉砕してしまうと、血圧を下げる効果が極端に強くなり頭痛などの副作用が出る可能性があるんです!

レナジェル



レナジェルは、食事に含まれる「リン」を体外に出す薬です。

入院する前の新田さんはこの薬を「食後」にのんでいたのですが、本来は「ごはんを食べる直前(食直前)」に飲まなければいけない薬です。食直前に飲むことで、薬を食事由来のリンと結合させ便と一緒に排出することが出来るんです。


普段はリンが溜まってもおしっこで1日600mgほど捨てることができるのですが、腎機能が悪い患者さんは、透析を行っても1日450mgしか取り除けないため、自然と体の中にリンが多くなってしまいます。




そして、体の中でリンが増えすぎてしまうと様々な問題を引き起こします。

リンはカルシウムと仲が良く、一緒になって骨を作ることが出来るのですが、リンだけが増えるとカルシウムも同じだけ増やそうと逆に骨を分解してしまうんです!

その結果、骨がどんどん脆くなり、また溜まったリンとカルシウムが血管や心臓に骨(石灰)を作り、動脈硬化心筋梗塞を引き起こします。




その他の薬

フェログラデュメットとフェロミア



フェログラデュメットとフェロミアは鉄が含まれた薬で、貧血を改善することが出来ます。(薬の名前の”フェ”は鉄の元素記号であるFeから来ています)。


鉄剤は副作用として吐き気が出やすく、新田さんがゲロゲロ先生と呼ばれて小学生たちから総スカンをくらった原因でもあります。鉄は赤血球が酸素を運ぶために必要なものなのですが、一方で胃腸を刺激しやすい部分もあり吐き気が出やすいんです。



どちらの鉄剤も胃腸を刺激しないように作られているのですが、やはりどうしても嘔吐は見れられるようで、薬の説明書によるとフェログラデュメットの2.8%、フェロミアの5%以上から嘔吐が報告されていました。割合としてはフェロミアの方が若干多いみたいです。


今回、葵みどりが提案したフェロミアに関しても嘔吐は出る可能性があるので、そこらへんはしっかりフォローアップが必要ですね。

カンデサルタン4mgとカンデサルタン8mg



カンデサルタンは血圧を下げる薬です。
腎機能が低下すると血圧が上がりやすくなってしまうため処方されています。

「カンデサルタン4mg」と「カンデサルタン8mg」の2種類の薬が処方されているのは、透析する日としない日で飲む量が変わるからなんです。

血圧は血流量と血管の抵抗の掛け算で表されるので、透析しているときは体の中の水分が取り除かれるため血圧が下がりやすくなります。そのため、透析する日は血圧を下げ過ぎないように4mgのカンデサルタンを、透析しない日は8mgのカンデサルタンを服用するんです。


アルファカルシドール



アルファカルシドールは活性型ビタミンD製剤といって、カルシウムの吸収をしやすくし骨を丈夫にする薬です。

本来、ビタミンDは肝臓と腎臓によって「活性型ビタミンD」に変化することで、カルシウムを吸収しやすくします。ですが、腎機能が低下すると「活性型ビタミンD」になれないためカルシウムが不足してしまうんです


その点、アルファカルシドールはすでに活性化されたビタミンDが入っているため、腎機能が低下していても効果を示すことが出来ます。


ポリスチレンスルホン酸カルシウム



ポリスチレンスルホン酸カルシウムは、増えすぎた「カリウム」を体外に出す薬です。

腎機能が低下しカリウムが増えすぎると、不整脈や心臓が突然止まってしまうことがあるので、これらを避ける目的で服用します。

センノシド



センノシドは大腸を刺激して便秘を改善する薬です。
透析患者さんは便秘になりやすいんです。

腎機能が低下すると水分やミネラルの調整が上手くいかなくなり、体の中に水分が溜まっていきます。そうなると、肺や心臓にも水が溜まり「肺水腫」や「心不全」を引き起こしてしまうため、透析を受けている人は水分制限をします。

水分制限をすると便の中に十分な水が行き渡らなく、またカリウム制限で野菜や果物があまり摂ることができず食物繊維が不足するため、腸内細菌のバランスが崩れ腸の働きが弱まり便秘になりやすくなります。




以上、【薬剤師芸人が解説】アンサングシンデレラ第3話でした!
読んで下さりありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました