【薬剤師芸人が解説】アンサング・シンデレラ第6話~ピルとハーブティー・抗生物質の飲み過ぎ・高Mg血症~


こんにちは!
冬になると国家試験のトラウマで悪夢を見てしまう薬剤師芸人です!

今回は、アンサングシンデレラ第6話をわかりやすく解説してみました!

月経困難症

月経困難症と診断された遠野倫さん。
ピルを処方されたが、2日間服用しても生理痛が治らず再度受診。
ですが、新しく出た薬の説明を受けているときに倒れてしまいます。

なぜ薬が効かないのか…ピルはどんな薬なのか…

ピル=避妊薬?


ピルとは、2種類の女性ホルモンが含まれた薬です。


ピルには女性ホルモンを整える働きがあり、高確率での避妊以外に生理痛やPMS(ココロとカラダの不調)、ニキビ、肌荒れなどの改善をします。

遠野倫さんが「ピルって避妊薬のほうのイメージが強くて…」と作中おっしゃっていたように、ピル=避妊薬と連想してしまいがちですが、実際には婦人科疾患の治療として使われるほうが多いんです。


↓は『ルナルナ』でユーザーを対象に行われたアンケートをグラフにしたものです。


これを見ると、ピルを婦人科疾患(生理痛やPMSなど)で服用している方は全体の6割を占めており、一方で避妊目的で服用しているのは2割ほどでした。

大部分は婦人科疾患で服用しているんですね。

月経困難症とは



今回、遠野倫さんが診断された「月経困難症」とは、生理中に起きる痛みや下痢、イライラなどの症状のことをいいます。月経困難症は原因によって2種類に分けられ、「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」があります。



生理痛を訴えていた遠野さんは再度受診することで、痛みの原因が「子宮内膜症」だとわかり、「ジェノゲスト」という薬が処方されました。

まず「子宮内膜症」とは、本来子宮の内側に出来る子宮内膜が子宮内部以外の場所にできる病気です。子宮の内側であれば出血として体の外に排出できるのですが、それ以外の場所では子宮内膜を排出できず、結果として炎症を引き起こしてしまうんです。



前の章で、ピルには2種類の女性ホルモンが含まれていると紹介しましたが、新しく処方されたジェノゲストには、女性ホルモンのうちのひとつ「黄体ホルモン」のみが含まれていて、子宮内膜が増えるのを抑えることで痛みを改善することが出来ます。

なぜピルを飲んでも効かなかったのか?



遠野倫さんは薬を2日間服用しても効果がないとおっしゃっていましたが、そもそもピルはホルモンバランスを徐々に改善する薬なので、痛み止めと違ってすぐに効果があるわけではありません。



ただ、今回薬が効かなかった別の理由がありました。

遠野さんは「セントジョーンズワート」が含まれたハーブティーを飲んでいたんです。

セントジョーンズワートとは、ヨーロッパでうつ病に効くとして民間療法に用いられているハーブで、簡単に言ったら草です。この草は薬との相互作用が確認されていて、一緒に服用することによって薬の効果が落ちてしまうことがあるんです。

薬を服用すると、体の中で酵素が「薬を毒と認識」して体の外に出そうとします。



この酵素を「薬物代謝酵素(シップ)」というのですが、セントジョーンズワートはこの酵素の働きを強くすることによって、薬がより効きづらくなるんです。今回の遠野倫さんも、セントジョーンズワートによってピルの効果が落ちてしまったんですね!



意外とハーブティーにもこのような薬と相互作用を引き起こすものがあるので、もし病院にかかったさいはぜひ服用していることを教えて頂けたら幸いです!

菌交代症

38度の熱や腹痛で入院運ばれた小川早苗さん。
本人は薬を飲んでいないと言っており、原因がわからず治療が難航します。

しかし、調剤薬局に勤める小野塚の働きもあり、抗生物質を継続的に服用していたことが判明。その後、適切な薬を投与することによって無事回復しました。

なぜ薬を飲んでいることを言わなかったのか…また抗生物質を服用してなにが起きたのか…



今回、小川早苗さんは「クロストリジウム・ディフィシル腸炎」にかかっていました。
クロストリジウム・ディフィシル腸炎とは、「クロストリディオイデス・ディフィシル」という細菌が引き起こす腸炎です。

原因として、抗生物質による腸内細菌のバランスの乱れが挙げられます。

抗生物質を漫然と服用すると、体を守ってくれる正常な腸内細菌がやっつけられ、代わりに悪い細菌が増えやすくなってしまいます。その結果、腸の中でクロストリディオイデス・ディフィシルが増えてしまい、炎症性の下痢を引き起こしてしまったんです。

薬は病気の原因である菌やウィルスをやっつけてくれるので、持ってるだけで安心しますよね。今回の長崎先生も小川さんのその気持ちに応えたかったのかもしれませんね。


刈谷さんの過去



また、今回の第6話では葵みどりの同僚である刈谷さんの過去が明らかになりました。

調剤薬局で働いていた刈谷さんは、患者さんに漫然と投与された「酸化マグネシウム錠」に疑問を持ちつつも「それで喜んでるならいい」と思っていました。しかし、その後その患者さんは「高マグネシウム血症」という状態になり倒れてしまいました。

そのときに刈谷さんは「患者を喜ばせるために薬を渡しても、患者は救われない」と気づき、調剤薬局を辞めて病院に転職したとのことでした。

高Mg血症




まず、「酸化マグネシウム」とは便秘や胸やけやゲップを改善する薬です。

高齢になると、水分を余り取らなくなったり、筋肉が衰えるため便秘になりやすいんです。
そこで、この酸化マグネシウムが使われるのですが、長期的に飲み続けると血中のマグネシウム濃度が高くなり、最悪の場合亡くなってしまうこともあるんです。

ちなみに、これについては国からも注意喚起されている危ないものです。


刈谷さんは、「患者さんの期待に応えて薬を出す長崎先生」と「調剤薬局で働く自分」とを照らし合わせていたんですね。なんだか今回の第6話はいつもより深いなぁと思いました!




以上、「アンサング・シンデレラ第6話」でした!
読んで下さりありがとうございます!

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